歯周病について
歯周病はむし歯と並ぶ歯科の二大疾患の一つです。歯周病とは歯を支えている組織の病気で、病状が進行すると歯を支えられなくなって最終的には歯が抜けてしまいます。
自覚症状に乏しいため、腫れる・咬むと痛いなどのはっきりとした症状が出た時点では、既に病状が進行してしまってる場合がほとんどで、なんとなく強く咬めない・・・しみることが多くなった・・・・急に歯ぐきが腫れたなどの自覚症状が出てから歯医者さんに行くと、あっさりと「これは抜くしかないですね」と言われ、ショックを受ける方も少なくないようです。
歯周病もむし歯と同様、歯垢(プラーク)が原因です。早期に発見できれば、お口の清掃状態を改善することで、進行を防ぐことができる疾患でもあります。定期検診と適切な口腔衛生指導を受けられることが大事です。
歯周病治療の基本はプラークコントロールです。歯石の除去も含めて、口腔内の環境をきれいにすることが何よりも大切です。近年、再生療法の発達によって、ケースによっては骨の回復が期待できる場合もありますが、まずはブラッシングと専門家の歯科衛生士による口腔清掃(プロフェッショナルトゥースクリーニング)によって、歯茎の炎症を抑えることが大前提になります。
生涯を通じて歯を失う原因の9割はむし歯と歯周病です。特に、年齢が上がるにつれて歯周病で歯を失う割合はどんどん増えていきます。
歯周病は痛みが出にくいためいつの間にか進行している場合が多く、ちょっと歯がぐらついてきたな・・・とか、急に腫れが出てきたというように自覚症状が出てきた時点では、思いの外、病状が進行してしまっている場合が多いのです。
実際に症状が出始めるのは30代をすぎてからが多いのですが、歯周病の始まりは10代からとも言われています。 むし歯だけでなく、歯周病についても早期からの定期検診と予防が大切です。
健康な状態
歯の周りの組織がしっかり歯を支えています
初期
少し骨の吸収が始まっています
中等度
炎症が進行し、骨の吸収が明らかです
重度歯周炎
骨による支えがなくなり、ぐらぐらしてきました。周りの骨が溶けてしまっています。