顎関節症ついて
顎が痛い、口が開かなくなる、口を大きく開けるときにひっかかる、音がするなどの症状があれば顎関節症です。こういった症状は、顎の関節の耐性を上回る過剰な負担がかかった場合に起こります。症状が顎関節の痛みなど、局所に限定されている場合は、大きな口を開けない、固いものを咬まないなど額関節の安静をはかることで強い症状は治まる場合がほとんどです。ただ、咬み合わせのずれなど構造的な問題があったり、歯ぎしりや態癖などによって恒常的に顎関節への負担がかかりやすい状況にあれば、症状も繰り返す可能性が高くなります。
顎関節症の治療法
- 顎関節の安静をはかることが第一です。大きな口を開けない、長時間咬まないといけないようなものは避けて、軟らかく顎に負担をかけない食べ物を食べるように心がけるなど、日常生活上、顎に負担をかけないように注意するだけでも強い症状は治まる場合が多いです。痛みが強い場合は、鎮痛薬や消炎剤を飲んで頂く場合もあります。知らず知らずのうちに行う食いしばりや歯ぎしりもあごに負担をかける大きな要因です。無意識の食いしばりは、日中行っている方も多いので、少し注意するだけで改善する場合もあります。
- スプリント・・・顎関節の安静をはかるための一つの方法として、スプリントと呼ばれるマウスピースを用いることがあります。スプリントは保険治療の適応でもありますし、咬み合わせを大きく変えることなく顎の負担を減らすことができるため、よく使用される治療法です。歯ぎしりによって顎に負担がかかっているようなケースは、夜間のスプリント着用が効果的です。スプリント治療が効果を示さないケースもあります。
- 原因の除去・・・例えば、顎が態癖によって左に押されていれば、左の顎関節が圧迫されやすく、左側の顎関節に痛みが出る可能性が高くなります。頬杖によって、顎が後ろに押しつけられる時間が長ければ、顎関節の後ろに存在する組織が痛みやすく、顎関節に痛みが出る可能性があります。顎関節が後ろに押されると、痛みが出やすいだけでなく、気道が狭くなるなど身体全体にとっても悪い影響が生じる可能性があります。こういった習癖をやめることにより、顎の負担になっている原因を除去することが治療の基本になります。