歯に加わる力(歯ぎしりなど)について
なんか時々歯が痛いんだけど歯医者で見てもらうと虫歯はないと言われる・・・でも、やっぱり痛む・・・・こんな経験されていませんか?一昔前だと、「虫歯ないので大丈夫ですよ」で終わっていたのですが、近年、歯に強い力が加わることによって痛みが出ることがわかってきました →DCS。歯に加わる過剰な力のうち、最も一般的なものに歯ぎしりがあります。歯ぎしりなんかしていない・・・と思われている方が大半だと思いますが、ぎりぎりするだけが歯ぎしりではなく、音もないままにぐいっとくいしばることで歯に非常に強い力がかかっていることもあり、そういう歯ぎしりも含めると大半の人が何らかの形で歯ぎしりをしているようです。。顎の痛みやかみ合わせると歯にひびくような痛みがある、しみる、歯と歯ぐきの境目が削れているなどは歯に強い負担がかかっている場合に起こる症状です。以前は、歯と歯ぐきの境目が削れているのは歯ブラシの仕方が悪いからだとされていましたが、今ではほとんどが過剰な力がかかることによって起こる現象だと理解されています。 Dr.Gene McCoyのHP
もう一つの大きな要因は「態癖」です。例えば、毎日右を向いて寝る(右側が圧迫される)とか、頬杖をつく、片側ばかりで咬む、唇を咬む、指を吸うなどほんの些細な癖でも、毎日続けると歯を動かす原因になります。本来あるべき位置から歯が移動すると、かみ合わせが変化し、歯や筋肉によけいな力がかかったり、顎に過剰な力がかかって顎関節症を引き起こしたり、ひいては肩こりや様々な健康被害を引き起こすことが少しずつわかってきています。頬杖などは顎関節に強い負担をかけるため、直接顎関節症の原因になることもあります。特に成長期のお子様は歯並びが確立しつつある時期なので、気をつける必要があります。
対策の第一歩としては、何らかの癖がある場合には、まずその癖をやめることです。矯正治療で歯を動かしても、癖が残っているとまた元に戻ってしまうこともあります。もう一つの簡単な治療法としては、スプリントと呼ばれるマウスピースを用いることです。スプリントを用いることで、顎の負担を減らしたり、くいしばりの力が歯に直接かからないようにすることができます。歯を削る必要もないので、スプリントをはずせば元どおりのかみ合わせに戻せます。矯正治療などでかみ合わせを治すことによってくいしばりや顎関節症や肩こりなどが治る場合もありますが、肩こりなど他の全身症状のすべてが絶対に治るとは言い切れません。この辺がもっとわかってくるといいのですが、まだ全身の症状と顎の関連はすべて明確になっているとは言えません。
歯の痛みは虫歯や歯周病だけで起こるものではなく、歯と顎に加わる力が大きく関係しており、かみ合わせが全身の骨格、ひいては全身の健康と深く関わっているということは間違いありません。