インプラントについて
1952年にスウェーデンの化学者ブローネマルク博士が、純チタンがチタン表面の酸素の膜を介して骨と非常に強く結合することを発見しました。博士はその後綿密な実験を重ね、1965年初めて人工歯根として臨床応用されました。以来、この技術を利用した歯科インプラントは改良を重ね、信頼性の高い治療法として歯を失った多くの人へ応用されるようになりました。
インプラントの利点
入れ歯やブリッジに比べて以下のような利点があります。
- 取り外しが不要
- 前後の歯を削らすに済む
- 入れ歯に比べ違和感が少ない
- 骨に直接支えられているので、天然歯に近い力で咬むことができる
院長より一言
やはり、義歯を使われた経験がおありの方の場合、特にインプラントの長所を実感できるようです。大きな義歯になれば、違和感やしゃべりにくさ、上の義歯であれば特に発音の問題、食べてもあまりおいしく感じない・・・などの不満を訴える方が多いです。義歯の調整で痛みや不快感を低減できる場合もありますが、いくら調整してもどうしようもない義歯の構造的な問題があります。そういった点を改善したい場合、インプラントは大変有効な治療法となります。もちろん、適応症であるのかどうか、骨の量や質の問題など、クリアしなければいけないことも多いですが、やはり患者さんの喜ぶ姿を見るのは歯科医として嬉しいものがあります。
インプラント治療について
- 外科手術が必要・・・場合によりますが、局所麻酔からはじめて約1~2時間かかります。
- 治療期間・・・手術後、上部構造を装着するまで2ヶ月~6ヶ月くらいかかります。抜歯をしてから手術を行うまでの時間や、下準備を含めると1年くらいかかることもあります。その間は、仮の入れ歯などを使いながら過ごしていただきます。近年は、インプラントの改良やシミュレーションシステムによって治療期間の短縮も可能になってきています。条件がよければ、即日仮歯を入れることも可能です。
- インプラントを維持するためには十分な口腔衛生の管理と定期的な検診が必要です。
- 全身的な疾患がある場合、手術を行うことができない場合があります。
- 治療には保険がききません。費用については、すべて自費になります。
インプラント治療の進め方
- 患者様の治療に対する要望を聞き、インプラント治療によって患者さんのお口の問題点を改善できるかどうか判断します。
- レントゲン・模型・口腔内診査などにより、咬み合わせ・骨の量・質などがインプラントに適しているか判断します。 CT撮影とコンピュータ上での埋入シミュレーションを行うことも手術のリスクを減らす上では非常に有用です。
- 治療方針を患者様に説明、確認します。
- 治療方針に納得していただければ治療に入ります。
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手術
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インプラントが骨と結合するまで待ちます。
(2~6ヶ月) - 骨との結合を確認し上部構造の作製
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上部構造の完成・装着
- メインテナンスへ