DCSついて
強い歯ぎしりや噛みしめにより引き起こされるダメージから引き起こされる様々な症状DCS(Dental Compression Syndrome)と言います。DCSの提唱者であるGene McCoy博士(Dr.Gene McCoyのHP) によると、約90%の人がDCSの症状を持っているにもかかわらず、自覚している人は5~10%だということです。ぎりぎり大きな音をさせるものだけが歯ぎしりではなく、音もないままにぐいっとくいしばることで歯に非常に強い力がかかっていることもあり、そういう食いしばりの場合は自覚・他覚ともに非常に困難になります。患者さんに「歯ぎしりをしているかもしれませんね・・」とお話ししても「言われたことないんですけど・・・・・」とおっしゃる方が圧倒的に多いのもそういった理由だと考えられます。 顎の痛みやかみ合わせると歯にひびくような痛みがある・歯がしみる・歯と歯ぐきの境目が削れているなどは歯に強い負担がかかっている場合に起こる症状です。以前は、歯と歯ぐきの境目が削れているのは歯ブラシの仕方が悪いからだとされていましたが、今ではほとんどが過剰な力がかかることによって起こる現象だと理解されています。
自己チェックとして
- 歯が削れて平坦になっている。凹みがある
- 歯と歯ぐきの境目が削れて彫れてしまっている(専門用語でクサビ状欠損といいます)
- 朝、起きた時に顎が開きにくかったり、だるい感じがする。顎が疲れている
- 歯が浮いたような感じになって咬むとひびくような感じがする
- 上顎や下顎の舌側に骨の隆起・でっぱりがある
などの症状があれば、歯ぎしりや食いしばりを強く行っている可能性があります。食いしばることで 肩凝りなどの全身症状につながることもありますし、夜寝ても十分に疲れがとれないなどの問題を生じる可能性があります。
このような力をコントロールすることは現在の歯科界にとっての大きなテーマなのですが、実際に歯ぎしりを止める方法はわかっていませんので、いかにして歯によけいな力が加わらないようにするかというのはなかなか難しい問題です。とはいえ対策がないわけではありません
- スプリント(歯を保護するマウスピース)の使用
- 歯の形態を修正することにより負担を軽減する
- 覚醒時には意識して食いしばらないようにしてもらう
などの方法によりある程度、歯にかかる負担を減らすことはできます。
典型的なWSD(クサビ状欠損)です。
全体に歯が削れています。歯ぎしりの時は、100kgもの力が歯にかかることもあります。